障害福祉事業を家族・夫婦で開業するときのお金|給与・専従者給与・社会保険を税理士が解説

「夫婦で事業を立ち上げたいけれど、家族に給料はいくら払えるの?」「妻(夫)を役員にするのと従業員にするのはどっちがいい?」「夫婦そろって社会保険に入ると負担が重くなりそう」——障害福祉事業を家族・夫婦で始めようとするとき、こんなお金の疑問が次々と出てきます。

結論からお伝えすると、障害福祉サービスは法人格が必須のため、家族・夫婦での開業も実際には「法人をつくって家族を役員や従業員にする」形が中心になります。そのうえで、家族への給与の出し方(役員報酬か従業員給与か)と、夫婦がそろって加入する社会保険の負担をどう設計するかが、開業時の大きなポイントです。この記事では、大阪府柏原市で障害福祉に強い税理士として支援員経験のある視点も交えながら、家族開業のお金の全体像を整理します。

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柏原市拠点・障害福祉専門のHands On会計事務所では、法人設立・指定申請の段取りから、初期費用・収支計画・資金調達、そして家族の役員報酬・社会保険までワンストップでサポートします。「まず何から始めればいいか知りたい」段階でも歓迎です。お問い合わせフォームに「家族開業の相談希望」と、開業予定の市名をお書き添えください。


障害福祉の家族開業は「法人+家族役員・従業員」が基本です

障害福祉サービスは、法人でなければ指定(開業の許可)を受けられない、法人格が必須の事業です。そのため「家族・夫婦で開業する」といっても、実務上は個人事業ではなく、株式会社・合同会社・NPO法人などの法人を設立し、家族をその役員や従業員にする形が中心になります。

就労継続支援・放課後等デイサービス・グループホームなどで開業するなら、まず法人をつくることが出発点です。個人で担える形があるかは、開業予定地の指定権者(市町村・大阪府)の最新案内でご確認ください。この前提を押さえると、家族へのお金の払い方は次の3パターンに整理できます。

家族への払い方 立場 主な特徴
役員報酬取締役などの役員原則、毎月同額(定期同額給与)。経営に関与する立場
従業員給与雇用された従業員雇用契約に基づく。残業代・賞与など通常の労務管理の対象
青色事業専従者給与個人事業主の家族専従者個人事業の場合のみ。法人化するとこの制度は使わない


家族への給与①:法人の役員報酬は「毎月同額」が原則です

家族を役員(取締役など)にして役員報酬を払う場合、税務上のいちばん大事なルールが「定期同額給与」です。法人が役員に払う給与のうち、原則として毎月同じ額でなければ、超えた部分などが損金(経費)として認められないことがあります。従業員の給料のように毎月自由に増減させると、税務上の経費にできなくなるおそれがあるのです。

役員報酬の額を変えられるのは、原則として事業年度の開始から一定期間内に開く株主総会などで改定したときに限られます。開業初年度に金額を決めたら、その期の途中では気軽に変えられないと考えておくと安全です。金額の水準や改定できるタイミングの細かな取り扱いは、国税庁の資料や顧問税理士で最新をご確認ください。

また役員報酬は、法人税だけでなく社会保険料や個人の所得税・住民税とのバランスで決めます。家族2人分をどう配分するかで、世帯全体の手取りは大きく変わります。

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役員報酬は税金と社会保険の両面から最適額が変わります。Hands On会計事務所が、法人と世帯トータルでシミュレーションします。大阪府全域対応。お問い合わせフォームに「家族開業相談希望」とお書き添えください。

なお、役員報酬の決め方や社会保険料の抑え方については、当事務所の本サイトでもくわしく解説しています(障害福祉事業の社会保険料負担を抑えるための合法的な対策5選(Hands On会計事務所))。開業前にざっと目を通しておくと、家族の給与設計のイメージがつかみやすくなります。


家族への給与②:家族を「従業員」として雇う場合

すべての家族を役員にする必要はありません。実際に現場(支援・送迎・事務など)で働く家族は、役員ではなく従業員として雇用し、通常の給与を払う方が自然なケースも多くあります。従業員給与は定期同額給与のような毎月同額の縛りがなく、残業代や賞与も払えます。

ただし従業員にする場合は雇用契約書を交わし、労働時間・賃金・業務内容を定めることが前提です。家族だからと口約束で済ませると、実地指導や万一のトラブルのときに説明できなくなります。「経営を担う人は役員」「現場で働く人は従業員」と役割で切り分けると、給与の性質もはっきりします。


参考までに、個人事業で家族に給与を払う制度も紹介します。それが「青色事業専従者給与」です。青色事業専従者給与とは、青色申告をしている個人事業主が、生計を一にする配偶者やその他の親族で、その事業に専ら従事している人に払う給与を、一定の条件のもとで必要経費にできる制度です。国税庁の案内によると、主な条件は次のとおりです。

  • 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
  • その年の一定の期間(原則としてその年を通じて6か月を超える期間)、その事業に専ら従事していること
  • あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出していること
  • 届出書に記載した金額の範囲内で、労務の対価として相当と認められる金額であること

ポイントは、事前の届出が必要で、「実際に働いていること(専従要件)」と「金額が仕事内容に見合っていること(妥当性)」が求められる点です。届出期限・専従の判定・認められる金額などの具体的な条件は個別事情で変わるため、必ず国税庁の最新資料や税理士でご確認ください。

ただし前述のとおり障害福祉サービスは法人格が必須のため、指定を受けて開業する場合、この青色事業専従者給与は基本的に使いません


社会保険:法人は原則すべて加入。夫婦とも入るときの負担は?

法人は、従業員がいなくても(役員1人だけでも)健康保険・厚生年金保険の適用事業所となり、加入が義務です。これは日本年金機構の案内でも示されており、役員報酬を受け取る役員も原則として被保険者(加入対象)になります。

つまり、夫婦そろって役員報酬を取る場合、2人とも社会保険に加入することになり、それぞれについて会社負担分と本人負担分の保険料がかかります。個人事業の国民健康保険・国民年金とは負担の考え方が変わるため、「法人にすると社会保険料が増える」と感じる方が多いのは事実です。

一方で、厚生年金は将来の年金額に反映され、健康保険には傷病手当金などの保障もあります。負担だけでなく保障面もあわせて考えることが大切です。保険料率や具体的な金額は毎年改定されるため、実際の負担額は最新の料額表でご確認ください。夫婦の役員報酬は、この社会保険料も含めて設計する必要があります。


配偶者を扶養に入れる?「収入の壁」の考え方

「夫を役員、妻はパート的に手伝う」といった形の場合、配偶者を扶養に入れられるかが気になります。いわゆる「106万円の壁」「130万円の壁」と呼ばれる収入の基準です。一定の収入を超えると、配偶者自身が社会保険料を負担することになり、世帯の手取りに影響します。

ただし、この「年収の壁」は制度改正のさなかにあり、金額や条件が今後変わる見込みです。2025年(令和7年)の年金制度改正により、いわゆる106万円の基準にかかわる賃金要件(月額8.8万円以上)や、対象となる企業規模の要件は、段階的に見直し・撤廃される予定とされています。金額のライン、対象になる働き方、判定のしかたは変動が大きいため、ここでは具体的な数字を断定せず、厚生労働省や日本年金機構の最新情報でご確認ください。扶養にとどめるか役員・従業員として社会保険に加入するかは、世帯全体で試算して決めるのがおすすめです。


家族をサビ管・児発管・管理者にするときの実務と注意

障害福祉事業では、家族を管理者やサービス管理責任者(サビ管)・児童発達支援管理責任者(児発管)に据えるケースがよくあります。人件費を家族内でまかなえるため、開業初期の資金繰りの助けにもなります。

ただし、これらの職種には資格要件・常勤要件・兼務の可否などが人員基準で細かく定められています。要件を満たさないまま配置したり、書類上だけ家族を置いて実際は勤務していなかったりすると、実地指導(運営指導)で厳しく問われ、報酬の返還につながることもあります。「家族だから」で実態をあいまいにせず、勤務実態と給与・役員報酬が整合していることが大切です。具体的な資格要件や常勤・兼務のルールは改定されることがあるため、最新は厚生労働省・大阪府(指定権者)の資料でご確認ください


家族経営のリスク管理|お金と役割の線引きを最初に

家族・夫婦経営の最大の強みは、信頼できる相手と一緒に事業を動かせることです。反面、お金と役割の線引きがあいまいになりやすいのが弱点です。トラブルを避けるために、開業時に次の点を決めておきましょう。

  • 役割の明確化:誰が経営(役員)で、誰が現場(従業員)かを整理する
  • お金のルール:役員報酬は株主総会などで決め、議事録を残す。生活費と事業のお金を混ぜない
  • 労務の整備:従業員として働く家族とは雇用契約書を交わし、就業規則にそって扱う
  • 説明できる状態:勤務実態・給与・役員報酬の整合を、実地指導で説明できるようにしておく

「家族だから後で」ではなく、開業のタイミングでお金と役割の線を引いておくことが、長く続く家族経営のコツです。


よくあるご質問


Q1. 夫婦で障害福祉事業を始める場合、個人事業ではダメですか?

障害福祉サービスは法人でなければ指定(開業の許可)を受けられないため、まず法人の設立が必要です。夫婦での開業も、法人をつくって2人を役員や従業員にする形が基本になります。個人で担える形があるかは、開業予定地の指定権者にご確認ください。


Q2. 妻(夫)を役員にすると、給料は自由に変えられますか?

役員報酬は「定期同額給与」といい、原則として毎月同額でないと、超えた部分などが経費(損金)に認められないことがあります。額を変えられるのは原則、事業年度の開始から一定期間内の株主総会などで改定したときに限られます。開業時に決めたら、期の途中で気軽に変えないのが安全です。


Q3. 青色事業専従者給与は法人でも使えますか?

青色事業専従者給与は個人事業(青色申告)の制度で、法人では使いません。障害福祉サービスは法人格が必須のため、指定を受けて開業する場合、家族への給与は役員報酬か従業員給与で考えることになります。


Q4. 夫婦とも社会保険に入ると、負担はどれくらい増えますか?

法人は役員1人でも社会保険(健康保険・厚生年金)の適用事業所となり、役員報酬を受ける役員も加入対象です。夫婦そろって役員報酬を取ると2人とも加入し、それぞれ会社負担分と本人負担分がかかります。具体的な金額は報酬額と最新の保険料率で決まるため、料額表でご確認ください。


Q5. 配偶者を扶養に入れたほうが得ですか?

収入が一定額を超えると配偶者自身が社会保険料を負担するため、いわゆる「収入の壁」を意識します。ただし2025年の年金制度改正で金額や条件が段階的に見直される予定で、変動が大きい部分です。扶養にとどめるか役員・従業員として加入するかは、世帯全体の手取りで試算するのがおすすめです。最新の基準は厚生労働省・日本年金機構でご確認ください。


まとめ


  • 障害福祉サービスは法人格が必須。家族・夫婦での開業も「法人+家族役員・従業員」が基本の形になります。
  • 家族への給与は、経営を担うなら役員報酬(定期同額給与=原則毎月同額)、現場で働くなら従業員給与に整理します。
  • 青色事業専従者給与は個人事業の制度で、法人化する障害福祉開業では基本的に使いません。
  • 法人は役員1人でも社会保険が強制加入。夫婦とも役員報酬を取れば2人とも加入し、負担と保障の両面で設計が必要です。
  • 扶養の壁・具体的な金額は制度改正で変動中。最新の一次情報で確認しながら、世帯トータルで試算しましょう。
  • 家族をサビ管・児発管・管理者にするなら要件と勤務実態の整合を、家族経営ならお金と役割の線引きを最初に決めておくことが大切です。

家族の役員構成・給与・社会保険は、それぞれ別々に考えると最適になりません。税理士に相談すれば、法人と世帯の両方を見ながらトータルで設計できます。開業前のいちばんお金が動く時期だからこそ、早めに全体像を描いておくと安心です。

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参考資料


住宅リフォーム7

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